ホスピスについて、メンバーのお子さんやご家族からだけでなく、ホスピスを訪れた多くの方から、「気持ちのいいところですね」「癒されます」と、嬉しい声をたくさんいただきます。私も思わず「そうでしょう!私も毎日癒されています」と答えてしまうほど、働くスタッフも、ボランティアも、みんなが大好きな場所が、TSURUMIこどもホスピス(TCH)です。
そんな、みんなのおうちTCHは、オープン当初から、多くのボランティアの皆さんのお力によって、美しく安全に、維持されてきました。
子どもたちが大好きで、みんなが大事にしているTCHを、少しでもキレイに!気持ちよく!そして、安心して遊びに来てもらえるように!そんなスタッフとボランティアの、願いと愛情のたっぷりこもった活動のひとつが『ハウスキープ』です。
今年度ホスピスでは、ボランティア活動としてあった『ハウスキープ』を、メンバーのボランティア活動のひとつとしてスタートしました。
ホスピスとメンバーは、利用する側と支援する側という関係性ではなく、「ともにホスピスを創る仲間」です。そんな、ホスピスとメンバーとの関わりの中で、「何か私にも、お手伝いできることはないですか」というご家族の声が集まり、メンバーボランティアが生まれました。
5月 最初のメンバーボランティア活動は、30分のお庭の草むしりからスタート。メンバーのお母さんが3名と、キャストボランティアとスタッフ、みんなで一緒にお庭で汗を流しました。その後は、窓ふき。子どもたちやご家族がいつもきれいなお庭の景色を眺められるよう、ピカピカに磨き上げられました。
6月 じりじりと暑さが照り付けるこの日は、初めてメンバーのお父さんの参加がありました。そして、やっぱり原っぱの草むしりからスタート。その後は、続けて草むしりをする組と、ハウス内の拭き掃除をする組の二手に分かれました。この時期、お庭の草はいくら抜いてもすぐに生えてきます。草むしり作業を半日頑張ってくださった、お父さんのグレーのTシャツは、汗ですっかり色が変わっていました。
7月 酷暑のため、お庭作業は中止。夏休みがスタートしたこともあり、通常はおとなだけが参加のハウスキープに、この日は子どもも一緒に二組が参加。床掃除やら、おもちゃ拭きやら、いつもは遊ぶだけのホスピスで、お掃除を頑張る子どもの姿はとても新鮮!参加した高校一年生の女子からは、「虫の死骸があってビックリした!」「館内が普段思っている以上に、広くってモップかけに時間かかった」「こんなおもちゃがあったんだ、という発見ができて楽しかった!」などなど、たくさんの感想をいただきました。お掃除しながら…だから出てくる話もあって、なんだかスタッフもホッコリする時間になりました。
メンバーハウスキープ活動は、月に1回、参加できるご家族が集まって、みんなが大好きなTCHを、スタッフ、ボランティアと一緒に大事にする活動です。普段はおうちの中で、ひとりでお掃除をするお母さんたちも、ホスピスをきれいにすることには、普段以上に愛情も力も注いでくださいます。「誰かのために」ある活動は、単なるお掃除ではない、ステキな優しい時間を、ハウスにもたらしてくれています。
アシスタントケアマネージャー 市川雅子