こんにちは、ケアスタッフの大矢佳代です。
5月から乳幼児や学童など、対象児別のゾーンプログラムが始まりました。この対象児別のゾーンプログラムは、何人かのお友達と一緒に同じ体験や経験を通じて、いろいろな感情を表出したり、共感したりしながら、気づきや感動をしっかり自分の中に入れていってもらいます。そこから、個々が自信をつけたり、意欲につながる場となるよう取り組んでいる、そんなプログラムです。今回は、乳幼児ゾーンと学童・まなびゾーンを紹介します。
【乳幼児ゾーン】
ある日は、鶴見緑地公園のお散歩に出かけました。散歩の終盤、ハウスの東門から広がるクローバーやシロツメクサの花を見て、子どもたちは「お花畑~」と原っぱを元気よく駆け上がっていきました。
ある日は、同世代の3人女子会乳幼児ゾーンになりました。活動が始まったばかりの絵の具遊び時は、それぞれが遊んで楽しんでいたのです。が、時間が経ち、他の活動に移っていくたびに、子ども同士が互いを意識して遊びをするようになり、終わりの時間に近づく頃には、一緒にいることや同じことをすることが楽しくなったのか、笑い声や笑顔がとっても増えました。
乳幼児ゾーンは、入院や治療を終え、集団生活の場(保育園や幼稚園)に戻るまでの間、少しずつ自分のペースや友達との遊びの感覚を取り戻す場として、ご参加いただいています。
また、複数の子どもたちが遊ぶ中で、自分以外の子どもから刺激を受けたり、関わりの手段を知る機会にもなっています。
これからも、たくさんの子どもたちが自信をつけ、次のステップに自分の力で進んでいけるようなプログラムになっていけば…と思っています。季節ならではの、遊びや体験も盛り込んでいきますので、お楽しみに!
【学童・まなびゾーン】
TCHでの活動では、それぞれの体験や経験を重視し、『自分なりにできる方法でやってみる』『自分で決めたことに挑戦してみる』『自分以外の友達と一緒に取り組む中で、自分ができること(伝えられること)を他児にしたり、他児から教えてもらったりしながら気づきやまなびにつなげていく』ことを目的にしています。また、友達との共通体験を通して、ひとりひとりの五感で感じることを大切にしています。
「勉強を進めたい!」という子どもたちは、自分なりの目的(「テスト前だから集中して勉強したい」…など)のある中で、スケジュールを自分で組み立て、学習と余暇の時間を決めて取り組みます。
小さなお子さんとは、野菜や花の植栽体験を開催。大芸大の学生たちから、野菜の植え方やお花の名前を教えてもらったりしながら、植栽を楽しみました。土や葉っぱの感触など、あれこれ楽しんでいました。
この日は、水遊び体験。大阪南RCから寄贈いただいたシャワー付きプールで、初遊びです。とっても、気持ちイイ!
このように、ゾーンプログラムは、イベントとは一味違って、集団の中で「その子の成長発達」を支えるものであること。とくに、病児の状況を押さえながら、その子が家族が自ら選び参加する中で、自己充実や他との交流を図ろうとするものです。その子の中の可能性を引き出す、そんな機会になってくれれば…と願いながら、これからも様々な取り組みや子どもを見守る環境を作っていきたいと思います。
アシスタントケアマネージャー 大矢 佳代