利用のご案内 ケアにかかわる姿勢

こどもホスピスは、病院でも家でもない、安心して過ごせる第2のおうちです。子どもとその家族が今を“深く生きる”ために、私たちがお手伝いできることがあります。

大切にしていること

子どもやその家族が病気や治療のために我慢してきた「やりたい」を「できた!」に変えること。スタッフそれぞれが、その子に合った寄り添い方、関わり方を日々考えています。

  • 子どもと家族の願いを聴き、一緒に考え、かたちにすること
  • 同世代と同じ、もしくはそれ以上の経験ができるように寄り添うこと
  • 成長に準じた「今」を生きられるよう、共通の目標を持って進むこと
  • その子が旅立った後も、家族が望む限りあり続けること
  • 生命を脅かす病気の子どもと家族に、“やさしい社会”をつくること
市川 雅子(いちかわ・まさこ)

市川 雅子

アシスタントケアマネージャー/看護師

水遊びがしたい、勉強がしたい、ただゆっくり過ごしたい——。子どもの願いは人それぞれです。たとえ今、生命が脅かされている状況だとしても、子どもたちには、未来への希望を持って生きてほしい。小さな願いを叶えていくことが、今日を生きる力になると信じて、私たちは、子どものどんな想いにも真剣に答えていきます。家族や兄弟姉妹にとっては、その子の「好き」を知る機会となるはずです。ひとときでも楽しい時間を共有し、好きなものや興味を発見することは、家族にとっても、生きる力になると感じています。

こどもホスピス ケアの特徴

ひとりの時間、家族の時間、誰かと分かち合う時間、出会う時間、誰かの優しさに触れる時間、すべてが大切です。それらを叶えるために、私たちは多様なケアを展開しています。

パーソナルケア|個別のニーズに友として寄り添う

やりたいことや病状、年齢、家族のかたちは人それぞれ。「次は何したい?」小さな希望から大きな願いまで、子ども一人ひとりの願いに柔軟に対応しています。願いを叶えるための近道は「一緒に遊びたい!」「あそこに行きたい!」と思ってもらえる場所になること。そのために専門職のスタッフは、子どもやその家族の友として関わっていきます。

ピアアプローチ|同じ境遇の仲間と出会う

「同じような病気の人や、経験者と話したい」という希望を、本人や家族から聞くことがあります。そんなリクエストに応じて、こどもホスピスで出会える機会を設けています。理解し合える仲間の存在は、大きな力となって本人と家族を支えてくれます。専門スタッフだけでなく、仲間のケアも同等に大切です。

コミュニティアプローチ|地域にひらく場づくり

LTCの子どもや家族が抱える心の痛みは、孤独から生じます。子どもが重い病気に罹るという痛みを、自分ごととして考えてくれる地域の理解者を増やしていくことが大事です。病気の有無に関わらず、お互いが助け合える、支え合えるコミュニティを目指し、地域の方にも開いたイベントを開催しています。

ビリーブメントケア|遺族との関わり

子どもを亡くされた家族(兄弟姉妹、親)が望む限り、こどもホスピスとの関係は続きます。子どもとの“記憶が残る場所”として、その子と過ごした時間を語り合う“心の拠りどころ”として。その子のことを慈しむ友であり続けたい。そして、病気の子どもたちにとって優しい地域社会をともにつくっていくこと。「明日も、あなたが大好きです」そんな想いを抱きながら、私たちは歩みを続けます。