病気の弟妹がいるきょうだいたちへのプレゼント!「 TCHきょうだいキャンプ2019 」

2019年7月、TCH4度目の夏に「TCHきょうだいキャンプ」を開催しました。言葉の通り、TCHを利用する病気の子どものきょうだいたちを対象にした、TCHでのお泊りプログラムです。そしてこのきょうだい企画は、きょうだい支援を行っている「NPO法人しぶたね」のご協力をいただき、実施しました。今回の活動報告は、しぶたね代表の清田さんのメッセージを重ねながら、お伝えします!

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清田さんコメント

暑い夏の1日、TSURUMIこどもホスピスで初めて開催された「きょうだいさんのためのキャンプ」にシブレッドとお邪魔しました。

きょうだいたちのお迎えに!

 
シブレッド登場!

「つるみに来ると楽しい!」ということを知っているきょうだいさんたちなので、ようこそタイムから、すでにわくわくが最高潮。いつもはご家族や子どもたちで自由に過ごす場所なので、今回はグループやみんなであそぶ楽しさも感じてもらえるといいな、と、輪になってあそぶゲームや、全員参加の鬼ごっこなど、シブレッドの進行で楽しんでもらいました。


「2回戦もやろう!」「子どもチームと大人チームで対抗戦したい!」新しいアイディアも生まれ、いつもとは少し違うわくわくを楽しんでくれているキラキラの目が可愛くて可愛くて、とても幸せな時間を過ごさせてもらいました。

みんなであそんだあとはおやつ作り。ペアになって生クリームや牛乳、砂糖を真剣に計り、氷と塩で冷やしてアイスを作ります。上手にアイスになった子も、塩入りアイスができた子も、お互いに味見しあって、「美味しい!」「まずい!」と、スペシャルおやつタイムを過ごしました。

アイス作りのレクチャーに興味津々


きょうだい同士、ペアになってアイス作りのスタート


出来上がったアイス、さあ食べよう


おやつを食べたあとは夕食作り!


同じものを食べると心の距離が少し近くなります。おやつを食べながら「なあなあ何年生?」と聞いていた子どもたちは、夕食を食べる頃には、「病気なのって弟?妹?」「何の病気?」と自然に質問していました。この場にいる子はみんな「病気をもつ子のきょうだい」。学校や日々の生活ではきっとなかなか出会えない同じ立場の子どもたちと出会う機会が、もしかしたらきょうだいたちの心を支えるかもしれないと思います。

夕食後のあと片付けもお手伝い

数年前、きょうだい支援をテーマにした講演後に40代の「きょうだい」の方が声をかけてくださったことがありました。「私は今まで同じ立場のきょうだいに出会ったことがありません。そして今日初めて、自分もサポートがほしいと思ってよかったんだ、って思いました。」涙を浮かべて伝えてくださった今日までの道のり、孤独感…こんな大人のきょうだいたちに何度も会ってきました。

「つるみに来てくれているきょうだいさんたちに、ここは病気をもつ子どもたちだけでなく、きょうだいたちのための場所でもあるんだよって伝えたいんです。」キャンプを担当するスタッフの方から声をかけていただいた時、本当にうれしい気持ちになりました。どこでもないつるみという大好きな場所で歓迎されて、主役になって思い切り楽しむきょうだいたちは「ここはぼくの/わたしのための場所なんだ」と、大人の思いを全身で受け止めているように見えました。自分のための場所があったこと、自分のための人がいたこと、仲間がいること、そんな思い出がきょうだいたちの人生の中でふわっと心をあたためる光になることを、大人になったきょうだいたちが教えてくれています。

何より私たちがとびきり楽しくて愛おしくて、偉大で優しい子どもたちと過ごした時間が宝物でした。来てくれてあそんでくれてありがとう。お話してくれて、お菓子も分けてくれて、ありがとう。またここで会おうね。

しぶたね 清田 悠代

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清田さん、温かい感想と素敵なメッセージをありがとうございます!ホスピスに来てくれる病気の子のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちは、弟や妹が病気になったことで、お父さんお母さんと同じくらい、たくさん頑張ってきました。そんなきょうだいたちにとっても、ホスピスは家族みんなで遊べる、楽しみな場所になっているようです。一方で、時々聞かれるのが「ホスピスは、(病気の)◯◯ちゃんがいるから来れるんだよ」という親御さんの言葉。間違いではないんだけど…でも、ちょっと違うんだけどな…

そんな思いから、どうしたら、きょうだいたちにも「ここが自分たちのための場所」と思ってもらえるかな‥と考えたとき、『お泊り』を思いつきました。お父さん、お母さん、病気の弟、妹と離れ、子どもだけでTSURUMIで遊ぶ特別な体験!そんな時間のなかで、私たちの想いがきょうだいたちに届くといいな…と。

夕食はもんじゃ焼き

結果は…本当に楽しい楽しい時間でした。そして夜以降も、きょうだいたちひとり一人の優しさや想いが見える場面に、たくさん出会うことができました。

熱が出てしまった一人のきょうだいのことをみんなが心配して、夜中帰宅することになったときには、全員が玄関まで見送りに来てくれたこと。「(キャンプの)最後までおられへんかった○○ちゃんのためにも、キャンプをもう一回やろう!」とすぐに言ってくれた最年長きょうだいの子。夜中を過ぎてもなかなか眠れず、ずっと明け方近くまでスタッフとおしゃべりしたこと。そのせいもあって、朝はすぐには起きられなかったけど、鶴見緑地公園への散歩はみんなで行ったこと。朝ごはんに自分で目玉焼きを作ったこと。遊ぶ時間が足りない~と言いながらも、お母さんたちが迎えに来た時は、とっても嬉しそうだったこと。本当に一つひとつすべてが、楽しい想い出となったきょうだいキャンプでした。

眠る前にひと暴れ




夜の公園散歩


朝の散歩に出発


目玉焼きの朝食


朝のひと遊び

これからも、TCHが持っているきょうだいたちへの想いをちゃんと言葉にして、形にして届けていきたいと思います。始まりから子どもたちが眠るまで(思いっきり夜中になっちゃいましたが…)、私たちと一緒にきょうだいたちを温かく見守りながら、遊んで食べて過ごしてくださった、しぶたねさんのご協力に心から感謝です。きょうだいたちに変わり、清田さん、シブレッド、ありがとうございました。

また、みんなで会えたらいいな‥‥

アシスタントケアマネージャー
市川雅子